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神話&伝承紹介Part4:イシス

※当記事の詳細は「神話&伝承紹介」をご覧下さい

王座を守るもの 偉大なる女魔法使い 死者の守護の女神
出典…エジプト神話
両親…父:ゲブ 母:ヌト
象徴…玉座 シストルム


■ 有名一家の最強魔術師 ■

エジプト神話で最も有名なホルスとセトの話には欠かせない、5柱兄弟の長女。
兄弟は、オシリス、ハロエリス、セト、ネフティスで、セトの姉とされることが多いです。
ネフティスとそっくり(頭に玉座があるほうがイシス)でセットの登場が多い。双子かも?
地上の王であった夫のオシリスは、王座を狙う弟のセトによって殺害されてしまいますが、
イシスが身体を拾い集めアヌビスがミイラにして、死者の王として復活します。
ホルスを身ごもったのはオシリス殺害後だったのだが、ミイラでも子供はできるのか?
オシリスは子供作りに必要な身体の一部を魚に飲み込まれたとのことなのに?
と、突っ込みどころも多いですが、神様補正ということでそこはそっとしておきましょうw
ここからホルスとセトが対立しますが、父の仇と王権奪還を指示したのが彼女らしい。
しかし全部が全部ホルス任せだったわけではなく、息子の戦いのサポートどころか、
「正当な相続人の財産の横取りは許せん」とセト自身の口で言わせたりしています。

さらにイシスは最強の魔術師です。魔法を使う神の中でなぜ彼女が最強なのでしょうか?
エジプトでの魔法とは言霊。本質を表す言葉は物事を支配する力。簡単に言えば呪文です。
神も例外ではなく、エジプトの神話の神様は本名ではなく称号のような名前です。
イシスは太陽神ラーの真の名前を聞き出す計略を実行、成功させたことがあります。
ラーは万物の父、すなわち万物を支配する力を入手したことになります。

ちなみに、イシスがラーの本名をホルスに伝え、ホルスも魔法を使えるようにしたらしい。
セト贔屓のラーの力をホルス強化に使うとはおそるべし。


■ 死者の守護神 ■

エジプト神話には、死者の守護女神という4名の女神様がいます。
イシス、ネフティス、ネイトセルケトです。
ミイラに添える有名な物としてカノプス壷という4つの壷がありますが、
カノプス壷は、ホルスの息子たちという精霊と女神様がペアになって守護しています。

イシス:人間の姿のイムセティとペアで肝臓を守護する。守護方角は南。
ネフティス:ヒヒの姿のハピとペアで肺を守護する。守護方角は北。
ネイト:黒い犬の姿のドゥアムテフとペアで胃を守護する。守護方角は東。
セルケト:隼の姿のケベフセヌエフとペアで腸を守護する。守護方角は西。

心臓はミイラのときには取り出さなかったらしい。死者の審判に必要なので。
永遠の世界へのパスポートになるか、はたまたアメミットのえさになるか……。


■ 母親としての姿 ■

冥界の王として夫を復活させたり、魔術や頭脳で息子を強力にサポートしたり、
芯の強い女神の印象はありますが、幻神のタイトルの「寂寞の母」の要素はどこでしょう?
個人的に、寂寞をオシリスの死に当てはめるなら、母ではなく妻(未亡人)だと思います。
それにイシスは魔術師であれこそ、母を象徴する女神ではありませんでした。

母としての姿が印象強いエピソードに、息子ホルスがセトに殺害される話があります。
ちょうど、ホルスが成長するまでセトから身を隠していたときです。
そのときのイシスの慟哭は凄まじく、丁度天を渡っていた太陽の船を止めてしまいました。
太陽が止まる=時間も止まること、ホルスは仮死状態で止まり、トト神によって蘇生
イシスのホルスへの愛情は、時間を止める(秩序を乱す)ほどだったということです。

なお、イシス信仰はローマにまで広まり、キリスト教により信仰が廃止されますが、
幼いキリストを抱く聖母マリアの構図は、幼いホルスを抱く母イシスが原型なのです。

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