忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

神話&伝承紹介Part7:ミューズ

※当記事の詳細は「神話&伝承紹介」をご覧下さい

文芸の女神 詩人たちの守護者
出典…ギリシャ神話
両親…父:ゼウス 母:ムネモシュネ
象徴…楽器 書物 楽譜


■ アーティスト9姉妹 ■

ミュージック、ミュージアム、といった芸術の語源となっている女神ミューズ。
ミューズとはギリシャ神話の「ムーサ」を英語読みにしたものです。
ムーサは文芸を司る姉妹女神の総称なので、単独の名称ではありません。

ムーサ姉妹は3人説と9人説がありますが後者のほうが有名です。
ムネモシュネという記憶の女神が、ゼウスと9夜共にして生んだ9柱の子供たちで、
カリオペ(叙事詩)、クレイオ(歴史)、ウラニア(天文)、
メルポメネ(悲劇)、タレイア(喜劇)、エラト(恋愛詩)、
エウテルペ(叙情詩)、ポリュムニア(賛歌)、テルプシコラ(舞踏)です。

彼女たちは音楽の神アポロンの侍女とされていますが、
アポロンは色々な権能をもっているため、常時付き従っているわけではないようです。
宴がなくアポロンもいないときは、聖地でのんびり過ごしているとのことです。
小鳥のさえすりや小川のせせらぎの中の竪琴と歌声。優雅な時間とはまさにこのこと。
幻想ではこのムーサの立場はアポロンに移ってしまっている感じがしますね。


■ 言葉を操る女神 ■

言葉を操る詩人たちの才能は彼女たちの恩恵だといいます。
一介の農夫がムーサの霊力により、一流詩人となったという話があります。
ギリシャ神話で外すことができない詩人、ヘシオドスです。
農耕生活では教養はなかったと思われるので、ムーサの賜物といえるでしょう。

しかし、言葉の贈り手である彼女たちに無謀にも勝負を挑んだ人間たちもいます。
1つ目は、タミュリスという吟遊詩人で、才能と美貌を持ち合わせており
自分に絶対的な自信を持っていた彼はムーサたちにこう言いました。
「俺と歌で勝負して、俺が勝ったら、ムーサ全員俺の女になれ。
もし負けたら、何でも好きなものをあげよう」
不敬な発言にムーサは怒り(怒らなかったら別の意味で女神です)、
彼の視力と竪琴の技術を奪い、タルタロスへ放り込みました。
2つ目は、ピエリアに住むピエリスたちというムーサと同じ9人の姉妹で、
歌が得意な彼女たちもムーサに勝負をもちかけます。
「私たちが勝ったら、ヘリコン山のヒッポクレネの泉とアガニッペの泉をもらうわ。
もし負けたら、マケドニアの地をお譲りしますわ」
受けて立ったのはカリオペで、勝敗の結果は言うまでもないのですが、
ピエリスたちは負けてもなおムーサを侮辱したため、
やかましく喚きたてるカササギに変えられてしまいました。


■ 有名な謎かけの発案者 ■

「朝には四つ足、昼には二本足、夜には三つ足で歩くものは何か?」
または「一つの声を有しながら、四足、二足、三足になるものは何か?」
という、非常に有名なスフィンクスの謎かけ(幻神バトル3章にも出ていますね)、
スフィンクスといえばエジプトが真っ先に思い浮かぶと思いますが、
このなぞなぞを出すのは、ギリシャのスフィンクスです。
そもそも「スフィンクス」はギリシャ語なんですよね……。
オイディプスという青年しか解けなかったこの謎、ムーサが考えたんだそうです。
力ではなく言葉で相手を負かす技、言葉の女神が考案したというのも納得です。

PR
忍者ブログ [PR]