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神話&伝承紹介Part9:ヘーベー

※当記事の詳細は「神話&伝承紹介」をご覧下さい

青春の女神
出典…ギリシャ神話
両親…父:ゼウス 母:ヘラ
象徴…酒杯 水差し


■ 若さの象徴 ■

神々の王ゼウスと正妃ヘラの間には2柱の男神3柱の女神の子供がおり、
その中で、ヘラに一番愛されたのがヘーベーです。
ヘラの若いころにそっくりといわれるほどの美しさで、
青春の具現化である彼女の美しさは衰えることはありません。
へーベーは後にヘラクレスを夫に迎えます(後述)が、
結婚して妻になっても、子供を生んで母になっても、いつまでも若いままなのです。

夫となるヘラクレスは、さすがゼウスの血を継いでいるといいますか、
人間時代は数え切れないほどの愛人がいた女好きでした。
ですが人間としての死後、神格化してへーベーと結婚してからは、
愛人を作ることなく妻一筋になったといいます。
ちなみにゼウスも、ヘラが年に一度行う若返りの沐浴のあとは、
他の女性に目をくれることはなくなるそうです。

ちなみにヘラクレスは、人間時代はヘラから過酷な嫌がらせをされてきました。
そのため、ヘラの最愛の娘が彼の妻になるという2柱の結婚式は、
夫婦誕生だけでなく、両者の確執を変える大きな意味がある式でもありました。


■ 仕事から家庭へ ■

明るく気立てが良いへーベーは、神々の宴で給仕役をしていました。
ゼウスとヘラの娘が宴席でお酌係とはどういうことかと思ってしまいますが、
アンブロシアやネクタルを出す重要かつ名誉なお仕事なので、
あのプライドが高いヘラも、娘が宴の席で働く姿に満足げでした。
しかしあるときを機に、へーベーはこのお仕事を降ります。
その理由には主に2つの説があり、
1つ目は、神化した大英雄ヘラクレスと結婚したために辞職したというもの。
2つ目は、へーベーが給仕中に転んでしまう失態をしてしまい、
そのことにゼウスが怒り、娘をこの役目から外してしまうもの。
なお、後者のほうもヘラクレスと結婚することには変わりはありません。
自身で辞める意思があったか免職されたかの違いですね。

へーベーの後任は、ゼウスがトロイアからさらってきた美少年ガニュメデス
後者の説で、へーベーをたった一度の失敗で給仕から外したのは、
ヘラそっくりの娘じゃなくて、お気に入りの人物にお酌してもらいたかった
……なんて理由もあったんじゃないかな、と邪推してみたり。


■ 相反する若さの力 ■

へーベーが人間に与えてくれる恩恵は、「若返り」と「成長」。
老いた者が若き頃に戻る力も、幼い者が過程を飛び越えて大人になる力も、
どちらも自然の摂理に反する力ゆえに滅多に使うことはできません。
しかし、授かることができたならば、その効果は絶大です。
そのうち「若返り」を授かったイオラオスの話を取り上げたいと思います。
ヘラクレスの甥にあたるため、少なからずへーベーと関係がある人物です。

「ヘラクレスの12の功業」で有名なエウリュステウス王。
彼はヘラクレスの子供が王位を狙うことを恐れ、ずっと追い回していました。
幼いヘラクレイダイとその母アルクメネを保護してきたイオラオスは、
王と前面戦争になったときに、1日だけ若返ることをゼウスとへーベーに願います。
かつての愛人や子孫の危機ということもあり、ゼウスはその願いを聞き入れ、
へーベーとヘラクレスが星となって降臨し、イオラオスを黒い雲で覆い隠しました。
そして雲が消えると彼は見事に若返り、甦った力で無事に勝利をおさめました。

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